今日も冬のような寒さの中、常磐自動車道を北へ。
福島県いわき市を目指す。
ここは母親の故郷で僕の自然観の基礎はここで築かれたような場所。
親戚宅を訪れ、祖父母のお墓参り。
お彼岸の後なので、どのお墓にもまだ綺麗な花が供えられていた。
そして近くの谷津田へ。
主に東京郊外、埼玉、千葉、神奈川など関東に棲んでいるトウキョウサンショウウオがこの辺りに飛地で生息しているのだ。
子どもの頃、学校が春休みでココに来ると従兄に連れられて産卵に来るサンショウウオを採りに行った。行った、と云っても屋敷のすぐ裏の湧水にも居たのだが。
田圃のわきの側溝に溜まった落ち葉をそっと掻いて行く。
ひたひたに落ち葉が水に浸かっているところには不思議と居ない。
まず水が無さそうな処ほど注意深く見ていくと、その下にはしっかりと綺麗な水が流れていて卵塊があったり、親がひそんでいたりする。
顔を近づけて、落ち葉を掻いて行くと、懐かしく漂ってくる泥の匂い。
時々出てくる大きなヨトウムシのようなイモムシに
「うわ、気持ちワリーーーー!」とつぶやくのもお約束。
つぶやきながら「まだオマエらも居るんだよな~」と少しうれしくなる。
手をかじかませながら、落ち葉を掻いていくと、ぷりりん!と小さな石に産み付けられたバナナ型の卵塊が1対。
「あった、あった!」
結構、前に産んだようで、だいぶ発生が進んでいる。
それから次々と卵塊が見つかり、中にはまさに昨夜、産んだばかりのものも。
そして何度も尻尾を再生したような老練な感じのオス親が1匹。
手にとってしばらく眺め、いじくりまわし、放してやる。
よかった、よかった。
帰り道の田圃の側溝には、ニホンアカガエル、ヤマアカガエルの卵塊がたくさん。
いつになっても、いくつになっても、そこに間違いなく、まだあるか、確かめずにいられない大切なもの。
また来年も都合をつけて確かめに行くことだろう。