国境やプロ・アマ問わず、僕ら世代のフィンガースタイル・ギタリストに絶大な支持を受けているアイルランドのギター・メーカー「ローデン」。
その創設者であり、現オーナーである伝説の人物”ジョージ・ローデン”。
そのローデン・ギターの発展にアイルランドで工場長として多大な尽力をしたウチダ・ギターの内田光広さん。
この2人が東京で22年振りの再会を果たし、旧友である内田さんのお宅をローデンさんが後日、訪問。
内田宅はウチの近所ですので、東京でもお会いしましたがローデンさんに再び会いに行ってきました。
僕が25年来、弾いている「S・yairi YD-505」は今は無き、この日本のメーカーが1980年代にOEMでローデンのギターを作っていた際に発売されたモデルで、ボクはアメリカ時代に多くのこの日本製のローデン・ギターを目にしました。
(マイケル・ヘッジスが使っていたローデンもたぶん日本製であろうとローデン氏が言っておりました)
ローデンさんがこのギターを「是非、見てみたい!」ということで持参し、亀工房の演奏も聴いて頂きました。
たいそう気に入ってもらい、亀工房の演奏をビデオに撮りながら「アイルランドにも演奏に来てよ!」と言って頂きました。
是非、是非!!勿論、行きますよ~^^¥
演奏後は、ギター・チェックです。
ボディの状態を確かめて。
内田さんも興味津々です。
ギターの内部をチェック。
達人はギターの中を触ると、ほぼ「そのギターがわかる」そうです。
「彼ら(S・ヤイリ)は、僕が指示したことを完璧に行なっているよ!」と四半世紀前に、異国で施された職人の仕事に感激しながら、自らチューニングしてくれました。
折角なので、ヘッドストックにサインをして貰いました。
S・Yairi のこのモデルのビックリな誕生秘話も自ら聞かせてくれました。
(内容はここでは書けませんので、興味のある方はボクに直接、聞いてください)
数々の伝説を持つローデン氏が、イタズラ小僧のような表情を見せております。
内田さんから聞いた話ですが、ローデン氏自らが工場で仕上がったギターをチェックした際、「こんな出来じゃダメだ!」とそのままギターを後ろに放り投げた!ことがあるそうです。
自分の名前を冠したギターのクォリティにストイックにこだわったローデン氏は、会社が大きくなった際、後から介入してきた経営陣との軋轢からローデン・ギターを追われてしまいます。
(アップルのジョブスみたいですね)
そして紆余曲折を経て、今はまたローデン・ギター・カンパニーの代表として多忙な毎日を過ごされています。
旧友の内田さんを訪ねて昔話にも花を咲かせ、良い休養になったようです。
ローデンさんが「これが僕の最初のテキストだよ!」と言って見せてくれた一冊の本。
この素朴な本をテキストに全くの自己流で試行錯誤に明け暮れながら、今のローデン・ギターは生まれたそうです。
知的好奇心と創造力、そして、それを実行し続ける情熱の前に、現在の”ノイズ”呼ばわりされる数多の情報は無意味なのがわかります。
人生の苦楽を乗り越えて晩年を迎えつつあるローデンさんの話振りはとても穏やかでした。
本ブログでの、過去の
ローデン話題。