今年の予定を調整中に、ふとプレストン・リードのHPを覗いたら、何と幻のファースト・アルバムが復刻?されていた。
一時期(1982~1989)、僕
はこのアルバムをしつこく探していたのだ。
今みたいにネットは無い時代なので、”口コミと足で”。
アメリカでも街ごとに中古レコード屋を物色したり、友人に聞いて探したけど、結局、見つからずその存在は知れど聴いたことがなかった。
1987年にアメリカ・ミルウォーキーで開催された「アメリカン・フィンガースタイル・ギター・フェスティバル」で彼のライブを初めて見たのだが、
その凄まじい右手のピッキング・パワーに圧倒されたものだ。
その後、プレストンはスタイルを発展させて、今、世界中でブレイクしているギタリスト”アンディ・マッキー”の「Drifting」の元になったようなタッピング・スタイルに移行して行くのだが、僕はそれ以前のハード・ピッカー時代の彼の楽曲の方が断然好きだった。
そのミルウォーキーのライブでは、この幻のファースト・アルバムからの曲をだいぶやっていたのだ。
試聴できるので、一気に全曲聴いてしまったのだが、まだいかにも若い頃らしく、楽曲の構成などはまだこれから、という感じがするが、恐ろしく芯のあるクリアな一音一音、マシンのように正確なリズム・・・など未来の大器をおおいに感じさせる。
この手のギタリストはその後、欧米でもあまり現れていないと思う。
このミルウォーキーでのライブはプレストンとマイケル・ヘッジスのダブル・ビル(対バン)だった。
最初のプレストンの凄まじい音の洪水ライブの後、ふらりとステージに現れたマイケルはスローな「ウォーターメロンマン」から入り、
あっという間にその場の空気を変えてしまった。
ライブ後に会ったプレストンは、その日のコンサートをすっかりマイケルに持って行かれて不機嫌だった。
・・・すごい一夜だった。
残念ながらマイケルはもう死んでしまったし、もう二度と見られない組み合わせのライブなのだが、僕の心の中ではいつでも”再生”可能なのだ。